アンソニー・マン Anthony Mann


1906年6月30日、カルフォルニア州サン・ディエゴ生まれ。本名アントン・バンズマン。グリニッジ・ヴィレッジの舞台俳優として出発し、ブロードウェイでは演出やステージ・マネージャーもつとめた。演出作品に「Thunder on the Left」「The Big Blow」などがある。38年、セルズニック・プロでスクリーン・テストを監督する仕事を得、その後42年までキャスティング・ディレクター、助監督をつとめる。42年に監督に昇進し、はじめの8年間ほどはリパブリック、RKO、イグール・ライオンなどにおいて、もっぱらB級映画を手掛けていたが、それでも「秘密指令」のような要領をえた手腕をみせている。47年のセミ・ドキュメンタリー・タッチの犯罪スリラー「T-Men」と翌年の「Raw Deal」で注目され、50年の西部劇「ウィンチェスター銃'73」で一躍有名になった。以後、「怒りの河」「裸の拍車」と西部劇監督として進路を定めていく一方、54年の「グレン・ミラー物語」はヒューマンな音楽伝記映画として大ヒットした。この期の作品の多くは製作者アーロン・ローゼンバーグ、主演ジェームズ・スチュワートとのトリオによるものである。60年代はじめには製作者サミュエル・ブロンストンと組んで「エル・シド」「ローマ帝国の滅亡」の史劇大作を発表。前者は風格と感動をそなえ、アメリカ大作主義のなかでは最も成功した一本といっていい。 「殺しのダンディー」撮影中の67年4月29日にベルリンで急死し、この作品は主演のローレンス・ハーヴェイが演出を引き継いで完成させた。


過去の上映作品

怒りの河 Bend of the River 1952
雷鳴の湾 Thunder Bay 1953
最前線 Men in War 1956
胸に輝く星 The Tin Star 1957
殺しのダンディー A Dandy in Aspic 1968