火星ロケットを設計する技師が、妻をピストルで撃ってしまい、ロケットで火星へ逃げる。そこでは火星の女王アエリータが大臣と権力闘争を繰り広げていた。トルストイの原作を元に、西側でドイツ表現主義映画などの影響を受けてソ連に戻った監督の帰国第1作で、ソ連初のSF映画。
最初の月旅行を目論む教授が、慎重派の教授の反対を押し切って有人宇宙飛行を実現し、助手や若き発明家らとともに、月との往復を実現する。ロケット工学の父ツィオルコフスキーが監修しており、科学的考証を踏まえたロケットや各種装置のデザインが興味深い。
戦後ソビエトで初めて製作されたカラー長篇映画。石細工の魅力にとりつかれた青年が、究極の芸術を求めて婚約者を捨てて、銅山の女王のもとで石の花の完成にはげむ。ウラル地方の民話をもとに、監督が人形アニメから特撮を駆使する劇映画へと転進した最初の作品。
1957年のソ連のスプートニク1号の打ち上げ成功により、宇宙への夢が高まった1961年に作られた宇宙冒険SF。現実には金星の環境が未知であった時代だが、国際調査隊が金星に降り立ち、そこで謎の宇宙生物に襲われるという物語を、空想豊かに造形された宇宙船や怪獣とともに描いたカルト作品。
魔女の老婆が神学生ホマーに殺されたことをきっかけに、若い娘に変身し、ホマーの命を狙うこととなる。当時学生監督だったクロパチョーフとエルショーフのフィルムをベースにプトゥシコの特撮技術と幻想美が加味された、ソ連時代最初で最後のホラー映画。
キエフの大公が、魔法使いにさらわれた娘リュドミーラの救出を、ルスランふくむ4人の騎士たちに依頼。ルスランたちは魔女のもとへと向かう。詩聖プーシキンが昔話をもとに書いた叙事詩が原作。 特撮の巨匠プトゥシコの遺作となった。
人間の寿命を延ばす研究をしているエバンス博士が、飛行機事故に遭う。博士らは異星人により救出され、博士は自分の研究に異星人の科学を役立てようと考える。しかし、宇宙船が軍から攻撃を受け、異星人は救出した地球人の記憶を消して地球へ戻す。エバンス博士の記憶を除いて......。ベテラン脚本家が監督したSF映画。
ロボット開発でしのぎを削る民間企業が、アンドロイドの能力を試す目的で宇宙船に人間の飛行士に紛れ込ませる。クルーの誰がアンドロイドなのか、航海中につきとめようとするピルクス船長だが......。スタニスワフ・レムの短編連作集「宇宙飛行士ピルクス物語」の一編「審問」をアクション性を盛り込み映画化した作品。
ミスの積み重ねから核戦争が起きた世界。 核シェルターには健康な人しか入れず、博物館の地下室に逃げ込んだ人びとは、緩慢な死を迎えている。作品は、この黙示録的世界の日常を描き、生きる意味を問いかける。監督は「ストーカー」でタルコフスキーのアシスタントを務め、その系譜を継ぐ映画作家として世界から注目を集めた。