1984年生まれで、リスボンとブエノスアイレスで学んだジョアン・サラヴィザは、カルロト・コッタが主役の在宅囚人を演じた『アリーナ』でカンヌ映画祭短編映画部門のパルムドール賞、『ラファ』でベルリン国際映画祭の短編映画部門のグランプリを受賞。2012年に早くもポンピドゥーセンターで特集が組まれるなど、その才能が高く評価されている。現在、初の長編映画を制作中。
ミゲル・ゴメスの長編デビュー作『自分に見合った顔』の脚本、出演でも知られるマヌエル・モゾスの最新作。城、工場、家屋などの廃墟を捉えたドキュメンタリー。ジェームス・ベニングの風景映画をも想起させる映像が、過ぎ去った時代とその記憶とを浮かび上がらせる。マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭ジョルジュ・ド・ボールガール賞等を受賞。
30年以上のキャリアを誇るマルガリーダ・ジルの最新作。作家のジョアン・ルカスは、歌手のマリアと出会い、彼女の部屋で一夜を過ごす。翌朝、彼は部屋に監禁されたことに気づいた……。マリアの欲望を一身に受ける主人公をカルロト・コッタが演じる。撮影は、レイス=コルデイロ『トラス・オス・モンテス』などで知られる名匠アカシオ・デ・アルメイダ。
ポルトガル植民地戦争時代のアフリカを舞台に、不倫の愛に溺れる若いカップルの運命が、端正な白黒の映像で描かれる。現代ポルトガル映画の旗手ミゲス・ゴメスの長編第三作。カルロト・コッタの代表作とも言える本作は世界各国で公開され、ポルトガル映画の新時代の到来を象徴する作品となった。ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞、アルフレッド・バウアー賞受賞。
©O SOM E A FÚRIA, KOMPLIZEN FILM, GULLANE, SHELLAC SUD 2012
ポルトガル語圏で初めてノーベル文学賞を受賞した作家ジョゼ・サラマーゴ(「複製された男」等)の晩年を記録したドキュメンタリー。自宅でくつろいでいる時も、仕事で世界を旅して回っている時も、サラマーゴの隣には、いつも彼の妻ピラールの姿があった。ミゲル・ ゴンサルヴェス・メンデス監督は、現在新作ドキュメンタリー「人生の意味(仮題)」を制作中。
ポルトガル在住の映画作家、鈴木仁篤とロサーナ・トレスの初監督作品『丘陵地帯』は、ポルトガルの雄大な大地と豊かな自然のなかで働く農夫たちを記録したドキュメンタリー。同時上映は、かつての職場である学校の前の家で暮らす96歳と98歳の元教師の姉妹の生活を描いた『レイテ・クレームの味』。ゆっくりと流れる姉妹の日常にカメラが優しく寄り添う。
撮影でポルトガルを訪れたフランス人女優ジュリー。リスボンの人びととの出会いが、彼女の心に大きな変化をもたらす。監督は、アメリカで生まれ、現在はヨーロッパで活躍中のウジェーヌ・グリーン。レオノール・バルダック、カルロト・コッタ、アナ・モレイラと若手スターが競演。また、マヌエル・モゾスとその息子フランシスコが親子共演。ミゲル・ゴメスもカメオ出演。