ある宿に泊まった旅人が、衰弱した娘を発見し、
やがて姿の見えぬ吸血鬼との暗闘にいたる怪奇映画の永遠の古典。ドライヤーがプロダクションを興して撮影した初のサウンド映画で、抑制された台詞や、ぼんやりした映像も恐怖を際立たせる。
(提供:コミュニティシネマセンター)
ドイツ映画界の鬼才ムルナウの渡米第一作。湖畔の村に住む男は都会から来た女に誘惑され、妻を殺そうとするが実行直前に思いとどまる。二人は仲直りしたものの、帰り道に舟が嵐に遭い、妻は行方不明に。若夫婦の一日半のドラマをダイナミックな映像で描く映画史上の大作。
1959年のウラジーミル・ボゴモーロフのベストセラー短編小説「イワン」の映画化。ドイツとの戦争中、
両親と妹を殺されて孤児となり、パルチザンに参加している少年の姿を描く。戦争の悲惨さと映像の美しさ
とが鋭い対照をなすタルコフスキー初の長編劇映画。
(提供:ロシア映画社)
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍の侵攻を受けたベラルーシの村。少年はたまたま銃を手に入れ、パルチザン部隊に加わるが、彼の村はそのせいで全員虐殺されてしまう。生の謳歌と残酷な死とが極端なまでに隣り合わせる戦場の無残を描く衝撃の作品。
(提供:ロシア映画社)
革命前夜のロシア帝国。首都の工場へ出稼ぎに来た農民が、工場の労働争議に参加する。獄中や第一次世界大戦の戦場で革命家たちと交わる中で目を開かれ、十月革命の山場となる冬宮襲撃では突撃の先頭に立つ。プドフキンによる十月革命10周年記念映画。
(提供:ロシア映画社)
貧農フムィリの「幸福」の探求を通じて、農村における新旧勢力の対立を描いた寓話的コメディ。煽動宣伝映画の枠に収まらない綺想にあふれ、「最後のボリシェヴィキ」アレクサンドル・メドヴェトキンの代表作となった。クリス・マルケルの『アレクサンドルの墓』はこの映画作家に捧げられている。
(提供:ロシア映画社)
ポルトガル、リスボンのフォンタイーニャス地区で暮らすヴァンダ・ドゥアルテをデジタル・カメラの映像に収めた作品。殺風景な部屋の中で、ヴァンダは家族や友人ととりとめのない会話を交わし、麻薬に耽る。部屋の外では、再開発のため周囲の建物が次々と破壊されていく。
(提供:シネマトリックス)
ポルトガル現代詩を代表するレイスとコルデイロが共に作った初長篇。川遊びなどに興じる子供たちの姿を中心に、きらきらと輝く宝石のような日々を夢幻的な時間構成により浮かび上がらせる。後にペドロ・コスタ監督にも影響を与えたという。
(提供:コミュニティシネマセンター)