母を早くに亡くし、父と祖母に育てられたヌヌン、ナナ、ネニーの美人三姉妹。祖母と父は長女ヌヌンを早く結婚させようと企むが…。社会派監督だったイスマイルが、ハリウッドからヒントを得て製作したミュージカル映画。2016年にはニア・ディナタ監督によって本作のリメイクが製作され、東京国際映画祭CROSSCUT ASIAで上映された。
1998年5月に起きたジャカルタ暴動、そしてスハルト政権崩壊から10年の節目に、10人の映画監督、アーティスト、ミュージシャンなどがそれぞれの観点から短編を製作し、アンソロジーとしてまとめたもの。7つのフィクションと3つのドキュメンタリーから構成される。釜山国際映画祭やロカルノ映画祭で上映され、話題となった。
©Lifelike Pictures
Producer: Sheila Timothy
彫刻家のガンビルは、仕事も私生活も充実した日々を送っていた。ある日、「助けて!」と書かれたメッセージを自宅で発見。そのメッセージを追うと、会員制のクラブへとたどり着く。そこには決して開けてはいけない禁断の扉があった…。鬼才、ジョコ・アンワルが、インドネシアのベストセラー小説を映画化したサイコホラー。
エディ・チャフヨノの長編2作目。半身不随の夫と息子、そして義母を養うために、昼は海でスナックを売り、夜はカラオケのホステスとしてがむしゃらに働くシティ。だが、夫は口を閉ざし、どんなに献身的に尽くしてもシティを拒む。シンガポール国際映画祭をはじめ、国内外の多くの映画祭で上映、受賞した必見の作品。
ジャカルタで2002年に結成された、気鋭のポップグループWhite Shoes & The Couples Company。彼らのチキニでのライブを追ったドキュメンタリー。インドネシアの伝統音楽を組み込んだ斬新でポップなスタイルは、インドネシア国内のみならず米国、日本でも話題となった。彼らを知らなくても楽しめる一本。
【インドネシア短編映画傑作選】
敬虔なムスリムのマリアムは、自閉症患者の面倒を見ている。クリスマスに教会に行きたいと頼まれた彼女は、しぶしぶ了承する。キリスト教のミサの中で彼女は自身の信仰と対峙し葛藤する。ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で受賞。
軍高官を父に持つデヴィッドと酒やタバコを密売する華人の家庭に育ったアセン。軍事基地のある田舎町を舞台に、二人の少年は性に目覚めていく。『マダムX』や『太陽を失って』のルッキー・クスワンディの注目の短編。カンヌをはじめ、多くの映画祭で上映された。
女性が男性にマッチの炎を使って陰部を見せ小金を稼ぐという、80年代から90年代にかけてジョグジャカルタで行われていた出来事をもとに、舞台を現代に移し、翻案した作品。カンヌ批評家週間でLeica Cine Discovery賞を受賞した。
カメラマンとして活躍していたバユ・プリハントロ・フィレモンの監督デビュー作。一人の男が録音室で、拷問する者とされる者を演じ分ける。やがて、男は現実との境が曖昧になり、歴史の悲劇を呼び起こす。ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で上映。
東ティモール独立運動の闘争中に性的暴行を受けたマリア。一方、娘は結婚することによって我が身を守ろうとしていた。母娘の目を通じ、女性の自由を問いかける野心作。2016年に岩波ホールで公開された『鏡は嘘をつかない』のアンディニ監督最新作。