フランツとギャングのブルーノとの友情が、ひとりの女を巡って静かに破綻していく。ハリウッドのギャング映画やヌーヴェルヴァーグの影響がうかがえるファスビンダーの長編第一作。彼自身がフランツを演じている。
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ファスビンダー自身の戯曲を映画化。ミュンヘン郊外で停滞した日々を過ごす若者たちの前に、ギリシャから来た労働者が現れる。日常に変化をもたらす異分子に対する恐怖感から、彼らはそのギリシャ人に暴行を加える。
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刑務所を出所したフランツは、恋人ヨアンナの元へ戻るがうまくいかず、マルガレーテと関係をもつ。彼は再び悪事を企てるが……。『愛は死より冷酷』の後日譚とも言える物語。ファスビンダーの技術的洗練を示す長編第三作。
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ペルーへの旅を夢見るふたりの若者を、オフビートなセンスで描写。アンチテアターの面々が総出演。ハンナ・シグラとファスビンダーのダンスシーンは、ファスビンダーのフィルモグラフィーにおけるハイライトの一つ。
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西部劇をモチーフにした異色作。大地主ニコルソンと黒人女性との間の私生児ホワイティ。召使としてニコルソン家に仕えるホワイティの存在が、家族の欲望を浮き彫りにする。バルハウスがファスビンダー作品に初参加。
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ドイツ出身でアメリカに渡り、ベトナムで兵隊となった殺し屋が、ミュンヘン警察からの依頼を冷徹に遂行していく。ソフト帽にトレンチコートの主人公が生きる銃と女の物語を、ファスビンダー作詞のロックをBGMに描く。
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映画の撮影現場の混乱が描かれる。資金難や人間関係のトラブルから撮影は一向に進まない。監督と撮影スタッフの対立は、『ホワイティ』撮影現場のファスビンダーとスタッフとの関係を反映させたと言われている。
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外人部隊を除隊後、警官になるが免職となり、果物の行商人に転じたハンス。彼は周囲の人たちとの感情的な溝を埋められず、次第に孤独を深める。ダグラス・サークの影響により、ファスビンダーが作風の転換を試みた重要作。
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ファスビンダー自身の同名戯曲を映画化。ほぼ一つの室内に空間を限定し、女性ばかりが登場する実験的作品。著名なファッションデザイナーであるペドラは、ふたりの女性との愛と嫉妬、抑圧と依存の関係に苦悩する。
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未来を予測する装置を開発中のシュティラーは、その装置を通じて仮想世界へ入り込む。コンピューターの構築した時空間は現実そっくりだが欠落も含まれていた……。ファスビンダー唯一のSF映画にして二部構成の大作。
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マルタは、父の死後、イタリアで見かけた男とドイツで偶然再会し、結婚する。よき妻として夫の抑圧に従うマルタと、要求を徐々にエスカレートさせていく夫との生活は、グロテスクなファミリー・メロドラマと化す。
労働者階級の青年フランツは、友人の紹介でブルジョワたちのゲイ・コミュニティに参加する。彼は実業家の御曹司と出会い、同棲生活を始めるが……。ファスビンダーが自ら主演し、階級間の搾取を鋭くえぐり出す。
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妊娠中のマーゴットは、理由不明の不安に見舞われている。それは出産後も治まることがない。彼女は精神安定剤に、アルコールに、行きずりの関係に逃げ場を見出すが……。ある主婦の実体験手記を脚色し、映画化。
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戦争中の辛苦を経て米兵の情婦となり、ついには企業人としてのし上がるマリアの半生を、戦後ドイツの歴史と重ね合わせて描き出す。ファスビンダーの国際的な評価を一躍高めたニュー・ジャーマン・シネマの代表作。
1920年代末のベルリン、二つの世界大戦に挟まれた不穏な時代。第一次世界大戦の痛手で社会は不安定を極め、失業者は日々増加し、犯罪が横行していた。そんな時代を生きる一人の「普通」の男の受難の物語。ファスビンダーの集大成的大作。
フランツは恋人イーダ殺害の罪でテーゲル刑務所に服役していた。出所した彼は大都市ベルリンの中で行き場を失う……。
生活のためにフランツは、ネクタイ留めやポルノ雑誌の街頭販売を始めるがうまくいかない。深い考えもなくナチスの党新聞販売に手を染めるが……。
訪問販売を始めたフランツ。とある玄関先に立った彼を見て住人の女性は動揺した。フランツは彼女の死んだ夫にそっくりだった……。
フランツは友人の家に間借り生活をし、日々酒に溺れている。フランツは自身の窮状を聖書のヨブになぞらえる……。
フランツはイカサマ商売の元締めプムスと知り会うが、仲間に加わる事は拒む。だが、その一味のラインホルトに出会い、うち解けるようになる。
フランツはラインホルトの女グセの悪さを直そうとするが、彼は聞き入れない。彼の口車にのってフランツはある仕事に出かける。
元恋人エバの家に厄介になっているフランツ。体も衰弱し再び酒浸りになり、ある酒場でエミーという女に出会う。
自宅に戻ったフランツは、まっとうに生きるという誓いを捨て、シニカルな人間になっていた。ある日ヤクザな若者ビリーが訪ねてきて……。
フランツは恋人ミーツェに養われるヒモの生活を始める。彼は久しぶりにラインホルトを訪ねる。
不妊のミーツェのため、エバがフランツと子供を作るという密約が結ばれる。フランツは仕事もせずいよいよ酒に溺れていく。
フランツはラインホルトを訪ね、また一緒に仕事を始める。ラインホルトに自分とミーツェの仲を見せつけようとするが……。
ラインホルトはミーツェをある森に連れ出す。その森は以前、フランツとミーツェが仲直りをした場所だった。
ミーツェが戻らない事に、フランツとエバは不安を抱く。ある日イカサマ商売をしていたフランツは仲間のヘマで失敗してしまう。
このエピローグが示すのは、二人の破滅した男の関係をめぐるグロテスクなイメージのパノラマである。
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新任の建設局長フォン・ボームが、建設会社の経営者シュッケルトの愛人である娼婦ローラに心を奪われる。戦後ドイツの経済復興期を背景に、公私の利害が複雑に交錯したローラと二人の男の三角関係を描く。