「われわれの欲望には優れた音楽が欠けている。」
ランボーのこの警句が契機となって、『われらの音楽』なるフィルムが制作された。
パレスチナ/イスラエル問題をめぐってパレスチナ亡命詩人とユダヤ女性が、自爆攻撃も辞さない真剣さで討議をし、アメリカ先住民がそれに絡む。
ゴダールは語る。
「1947年のナクバ以来、ユダヤ人は劇映画の主人公となり、パレスチナ人はドキュメンタリー映画の主人公にさせられてしまった」
だが、はたしてどうだろうか。
日本では知られぬゴダール作品を次々と紹介し解説する機会としたい。
四方田犬彦(「ゴダール、ジャン=リュック」著者、「ゴダール馬鹿一代」を自称)