クリスティアン・ペッツォルト(映画作家)

私は愛が生まれるところを映画に撮りたい。ありさまではなく抵抗をだ。「ああ、二人は愛しあってる」といった愛のシーンは我慢ならない。誰もが愛はこの世で最も美しいと装っている。だが、それには抵抗が含まれていて、誰も自ら恋におちようとはしない。なぜなら、それがどんな問題を引き起こし、安定がどう奪われることになるか分っているからだ。そんな引き裂かれた状態を撮るのが面白いと思う。