ファン・ギュンミン(映画研究者)
インディペンデント映画というと、社会的な問題を取り扱う生真面目な作品が多い印象を受けるが、近年の韓国インディペンデント映画は、プロットや撮影、編集、映像表現に様々な工夫をこらした作品も増えてきた。今回上映する五本は、韓国国内のみならず、世界でも高い評価を受けた若手監督たちの作品だが、いずれの映画も、障害や貧困、アイデンティティ、若年妊娠、孤独と疎外、トラウマなどの重いテーマに触れつつ、巧みな演出によって、映画としても見ごたえのあるものとなっている。今回の特集を通じて、同時代の韓国社会問題に対する鋭い眼差しとユニークな個性だけではなく、韓国インディペンデント映画の魅力と、映像表現の無限な可能性を見出すことができるだろう。