ウテ・アウラント(映画作家)
『ヤング・パインズ(小松)』は2009年5月から2010年11月の間、3度日本旅行をした際に生まれた作品です。日本の友人たちの招待により、2009年5月、私は東京、横浜、金沢で自作を上映しました。日本の至るところで、しかも大都市の中でさえ、私は日本人と自然との強い結びつきを感じました。そこでは自然と文化が全く対立していないように見えました。私は魅了されました、というのも私自身の映画の作り方と似ていたからで、私はまた日本に来ようと決心しました。そして2010年春には西方面へ旅し、鎌倉、京都、奈良を撮影しました。2010年秋には東北地方を旅し、松島、遠野、宮古、あつみ、山寺、日光を回りました。2011年3月11日、『ヤング・パインズ(小松)』はまだ編集作業中でした。2011年9月トロント国際映画祭での初演、その後ニューヨークの「Views from the Avan Garde(アヴァンギャルドからのまなざし)」での上映に続き、この『ヤング・パインズ(小松)』を日本の観客の皆さんの前で上映し、この映画についてご意見をいただけることを大変うれしく思っています。
プログラムの後半は、ポートレート・シリーズとして現在制作中のものから3つの短いポートレートを選びました。パウリーナ・ブダとフランツ・フォン・ルッケは私が名付け親となった子どもたちで、彼らが幼い時から撮影し続けてきました。パウリーナは現在16歳、フランツは28歳です。マリア・ラングはとても親しい友人の映画作家です。彼女は20年前からドイツ南部の田舎で生活しています。私は彼女の庭仕事とフランクフルトでの第一回印象主義女性アーティスト展を訪れたところを撮影しました。