「前衛と娯楽のアマルガムー『小春日和』と塩田千種」
吉田広明(映画批評家)
パゾリーニ『テオレマ』に衝撃を受け、シナリオ作家を志した塩田千種氏は、原宿学校(現東京映像映画学院)で学び、『新宿警察』でTVデビュー(当時19歳!)。佐々木守、山田正弘らの薫陶を受けつつ、『大都会』『太陽にほえろ!』『京都地検の女』『おみやさん』『新・天までとどけ』などの人気TVシリーズに携わり、かつ内藤誠、恩地日出夫、村川透、金子修介、井筒和幸らの映画のシナリオも書く、という幅広いキャリアを誇る。今回のアナクロニズムの会では、金井美恵子と前田陽一、塩田千種という摩訶不思議な組み合わせからなるTVドラマ『小春日和』を主なテーマとして、磯田勉氏を聞き手に貴重な参考映像も交えつつ、映画、テレビ業界の最前線で活躍する塩田氏のキャリアと、日本映画の底深さを垣間見たい。